第十九瓶 五味と五感から知る! ワインと料理のペアリング法

 前稿にて、古代ローマ人がワインを食事と共に摂取し始めたという事は分かりました。しかし彼等は料理との組み合わせを考える迄には到りませんでした。「造物主は人間に生きるがために食べることを強いるかわり、それを勧めるのに食欲、それに報いるのに快楽を与える」とはまたしてもグルメの祖ブリア・サヴァラン大先生のお言葉ですが、「生きる為にどうせ食べねばならぬなら、より美味しく食べたい!」と思ったのはこの御仁ごじんだけではなかった筈です。という事で料理とワインの相性が問題になったのは19世紀のフランス。それ迄は貴族の食事は1コースに異なった料理が同時に出される為、この発想は生まれなかったのであります。確かにテーブルにぎっしりお皿を並べて豪華さを演出したい気持ちも分かりますが、グルメ志向の現代人としては「折角の作り立ての温かいお料理が冷めたり、冷たく頂きたい物が生温かくなったりして風味を損ねてしまうでしょ」と言いたくなります。其処でフランス生まれのロシア貴族お抱え料理人ユルバン・デュボア(1818‐1901)が思い付いた、寒冷地で料理が冷えないようにするアイデアから(これは当時のロシア宮廷では普通の方式で、1808年に駐仏大使のプリンス・クラ―キン公爵〈1752‐1818〉が宴で行ったという話も…)、現在の様な前菜からデザート(※1)まで一品ずつ提供される形式が始まったと伝えられています。フレンチレストランのスタッフが一気にどっと出さずに、一品一品ちょこまかするサービスにはちゃんと意味があった訳です。

 こうして料理が一つ一つ変わって行く事で、合わせるワインもそれに伴って変えて行くスタイルが出来上がりました。しかしその二つをどう合わせれば良いのか、それが大きな悩みの種であります。そしてそれが分からないから人はレストランに行って、プロの提案するマリアージュ(※2)を堪能する訳です。しかしワインが主役で料理よりも目立つなら、そのワインが飲める他の環境で良い訳で、態々わざわざ高いお金を払ってまでレストランに行く意味はありません。だからこそ客の要望を受けて任される店側は常に実力を測られるような責任を感じ、レストランでしか味わえないより良いサービスを提供する為に、そしてそのサービスに満足し(※3)再び来店して貰う為に、日々研鑽を積んでいるのであります。(「ソムリエは心理学、客の希望を読み取らなければならない」とも言われ、これは三年に一度のソムリエコンクールの課題でもあるそうです)

 ※1 現在では主にこの流れ:オードブル〈食欲増進〉→ポタージュ〈体を温める〉→ポワソン〈消化の良さ〉→ソルベ〈口中リセット〉→ヴィアンド〈主役〉→デセール〈胃腸の活性化〉

 ※2 mariage:英語の marriage「結婚」の意味だが、プロの口から聞く事はほとんどなくなり、pairing「ペアリング、組み合わせ」が主流。フランスでは harmonieアルモニ「ハーモニー、調和」や accordアコール「同意、協調」と言うのだそう

 ※3 Restaurant:語源はラテン語の Restaurāre「復元する→回復させる、元気づける」で、1765~66にパリで誕生した、肉とスープを代表料理として供給する場所。この「疲労回復の場所」に行ってかえって疲労する事の無いようにしましょう

 突然ですが此処で、特別講師をお招きしております。うちの気兼ね無い同居人である気さくなソムリエC氏に、友情出演という名目でこの先のご案内を引き継いで頂きます。彼は能天気なお調子者ゆえ、私は愛情を込めて『C調のCちゃん』と呼んでいるのですが、何とこのCちゃん、父はかつてメソポタミアで板としてくさび形文字を刻まれた粒径りゅうけい3,9マイクロメートル可塑かそ性のある粘土、母はのクレオパトラが美容の為に顔面に塗りたくった粒径2,0㎛の吸着性のある粘土、という事で、この世の偉大さと栄華を極めた両親から生まれ落ちた粘土なのであります。そんな生粋きっすい粘土ねばつちでありながら、焦熱しょうねつの陽光の下で日本がわらとして朽ちて行く運命を潔しとせずに抗い、その絶対者への大いなる反抗心と不撓不屈ふとうふくつの魂に巨神プロメテウスも天晴あっぱれとおぼし召したか、塑像そぞうへと形態変化したのみならず、努力と執念の末ソムリエの資格まで勝ち取った、私の想像を絶する粘土なのであります! 私も同じ土塊つちくれの身でありながら、彼の前ではか細い羽音を立てるだけの虫螻むしけらの様な存在として唯々恥じ入るばかりです。そのうえ片言ながら英語を話せる優れもの、最近はフランス語でご挨拶が出来るまでになったとか。のみならず、彼は純日本人である私よりも遙かに分かり易い日本語を駆使しますので、意思伝達の作業におきましては少しも問題御座いません。お待たせしました、ではCさん、宜しくお願い致します。

Bonjour, mesdames et messieurs.

「ただいま紹介がありましたCです。ここの管理者とは昔からの腐れ縁というやつで、十五年前からずっとそばで観察してきたけど、ちっとも変わらず彼の表現はいつも大げさ、そのくせその内実ときたら本当にお粗末なものばかり。『C調』なんていつの言葉か知れない時代錯誤の表現をするだけじゃなく、言葉って意思疎通のために生まれたってのに、辞書が必要になるような分かりにくい言葉をわざわざ選ぶアマノジャク。まったくその気が知れないね。明日こそ文語体で話しだすんじゃないかって、この十五年間いつもハラハラさせられてるよ。彼の言葉にいちいち反応してるとくたびれちゃうから、どうぞ気にせずテキトウにやり過ごしてね。

 さて、これからの話は一般的な傾向だよ。感覚には個人差があって、絶対ということはありえないからね。あと『合う/合っていない』っていう感じだけど、正確には、料理を飲み込んだ後にワインを飲み込んで、料理の風味が戻ってこなければ『合っていない(ワインが強すぎる)』ってされてるよ。まずは料理単体の味を楽しみ、十分に味わった咀嚼そしゃくの後半(飲み込む前後)でワインを口に含み、料理の風味が戻ってくれば相性が良いってことだね。よくスープ類にワインは合わせないって言うのは、両方液体だから咀嚼時間がないからなんだけど、じつは余韻に合わせようと思えばちゃんと合わせられるんだ。ってことで、余韻同士で合わせるのが本来のやり方で、口の中で『グチャグチャ』は上品とは言えないのさ。って言ってもこれは西洋の捉え方で、淡白な味のお米が主食の日本は古来から口内調味のスタイルだから、結局文化の違いでどちらが正しいなんて事はないんだけどね。『ワインの時は余韻で、日本酒の時は口中で』って分けて、文化的な味わい方をしてみるのも乙なやり方かな。そしてペアリングって料理とワインの凸凹でこぼこを合わせることなんだ。例えば日本酒は味のバランスの完成度が高く、味が球体で凸凹がないから、絶対合わないという組み合わせが少ない分『これこそは!』っていう相性も少ないんだ。それに比べてワインは凸凹だらけ。おんなじ品種でも産地・ヴィンテージ・造り手によるいろんな個性があり、『これこそは!』がある分『ダメだこりゃ』もあるんだね。まあ、それはそれで楽しいんだけどね。日本酒と料理のペアリングは、ワインのように全く新しい風味を生むことは少なく、同調が多いって言われてるよ。それに似て、高級ワインの弱点は、個性が強くそれのみで成り立つから、料理と合わせにくいことだね。本当に偉大なワインは完全すぎて球のように引っかかる所がないから、どんな料理を持ってきてもかみ合わないように思えるんだ。例えばシャトー・ペトリュスの強烈な個性には、吟味した料理でもなかなか太刀打ちできない。であればいっそ極上チーズとパンを添えるだけにして、ワイン鑑賞に没頭した方が至福を味わえるはずさ。ってことで、料理との相性を考えるなら『まだ少し若く固いかな?』くらいのほうが良く、引っかかりのあるほうが合うことが多いのさ。おんなじ様に日本酒も磨き度合いが低い、味により凸凹があるものの方が料理には合わせやすいんだ。

 じゃあ本題に入るよ。まずペアリングのポイントとしては、

[ 質感産地製法 ] ⇒ 同等

であること。例を挙げてみると──

・香:舞茸、椎茸のソテー × 茸の香りのある熟成赤(メルロー / ピノ・ノワール等)

・味:レモンなど柑橘系の酸が特徴の料理 × 酸味が豊かな白(ソーヴィニョン・ブラン / リースリング等)

・質感:クリーミーな料理 × とろみのある円やかな白( / MLF

・産地:冷涼地のワイン × 冷たい料理 / 温暖地のワイン × 温かい料理

・格:タヤリンの白トリュフ掛け × バルバレスコ / バローロ

・製法:パン(酵母+発酵)、チーズ(発酵+熟成)、ロースト(焦がし〈樽のローストレベルと〉)等

・色:赤身の魚 × 赤、白身の肉 × 白、中華(ピンク)× ロゼ

──という具合かな。個人的には〈産地〉の『その土地で採れた食物を食べ、その土地で収穫した葡萄から造ったワインを飲む』、このワインの原点でもある地産地消の精神を重んじたいね。だってこれこそ昔から賞味されてきた伝統的で歴史的な、クラシックなハーモニーだからね。またこれらの中でも基本的かつ万人受けする無難な合わせ方は〈色〉。逆に応用的で個人差があるのは香りや味における〈相反〉の合わせ方。例えば、ブルーチーズ × 貴腐、カレー × 甘口(ランブルスコなど)で、もし興味があればチャレンジしてみても良いね。〈製法+質感〉でおススメがコーヒーマシュマロ × ビールで、焙煎と焙燥の組み合わせ、それからタンパク質からくるしっかりしたビールの泡には、マシュマロが持つ赤ちゃんのスベスベもちもちほっぺたを思わせる食感が溶け合ってウットリ、いちど試す価値はあるよ。もう一つ、日本人で泡好きなら一度は耳にしたことがあるかな?「おからでシャムパン」。漱石門下にして酒豪の内田百閒ひゃっけんが『御馳走帖』で『おからの口ざはりもぱさぱさではないが、その後をシャムパンが追つ掛けて咽へ流れる具合は大変よろしい』と書いたのは、おからの多少のパサパサ感にシャンパーニュが泡のツブツブ感と一緒にしみわたってしっとり感が生まれ、素敵な相性をみせるってことを伝えたかったんだと思うよ。それに出し汁による旨味と長期の瓶内熟成(⇒瓶内二次発酵)による旨味で合わせてるだけじゃなく、彼はおからにレモンを絞ったんだけど、それもシャンパーニュの柑橘風味と同調させてるんだね。あと──

・小振り グラス:後半に甘味 → パテ系料理、チーズ

・大振りグラス:後半に 渋み・苦味 → 煮込み、脂の多い肉の炭焼き、グリル

──なんてところも押さえて、同じワインでグラスを変えながら食事を進めていくっていうのも面白いと思うよ。グラスの大きさによるワインの味の広がりや温度の変化と、料理の味の強さや温度感を揃えてみるって方法だね。温度といえば、これからは温暖化の影響で、赤より白の生産量の増加が予想されてるらしいよ。だって赤は暑いと重く感じてつらいし、料理との相性を考えた時は白のほうが合わせやすいからね。ちなみにワインよりもはるかに日本酒は温度と合わせることが可能だね。『霙酒みぞれざけ(0℃)、雪冷え(5℃)、花冷え(10℃)、涼冷え(15℃)、日向燗ひなたかん(30℃)、人肌燗(35℃)、ぬる燗(40℃)、上燗(45℃)、熱燗(50℃)、飛び切り燗(55℃)』、日本語の美しさが端的に表現されている素敵な言葉だね。ただ8℃以下は冷えすぎかも。手が冷えると麻痺しちゃうように、舌の感覚が損なわれるんだ。その反対で、温めたお酒を飲むと舌の味蕾が開いて味をより鋭敏に感じられるのさ。みんなは聞いたことあるかな、イギリス出身で初めての外国人杜氏ハーパー・フィリップさんのことを。京都の玉川木下酒造で働くこちらの杜氏さんは『温度で遊ぶことを覚えると(ワインは)イライラしてくる』って言ってたね、アハハ」

So far, so good?

「次は料理の味によるワインの味への影響だ。表を作ってみたよ」

「〈料理の風味〉を〈量〉にしたのは、個々人の唾液の分泌量にもよるけど、食べ物は個体だから、有味体が舌に触れる表面積が口に入れる量次第で変わって、それが風味の強弱に影響するから。いっぽう〈ワインの風味〉を量じゃなく〈感覚〉にしたのは、ワインは液体だから、口に入れる量の多少に関わらず有味体が満遍なく舌に触れるし、さらに、それぞれのワインの持つ酸度やアルコール度数などの絶対量は変わらないから。『既に溶けたもの、或いはやがて溶けるもの以外に、有味体はありえない』というムッシュ・サヴァランの言葉が、この説明に説得力を与えてくれると思うよ。それで、この表の意味をかいつまんで言うと、〈酸・苦・刺激・Alc〉は好ましくない風味を、〈ボディ・果実味・甘〉が好ましい風味を人の感覚に与えるということだね。塩味や酸味の量が多い料理ほど、ワインは柔らかい印象になり、よりワインを美味しく感じられるという訳さ。もちろん絶対じゃないけど、料理の風味が〈甘・旨〉だと赤ワインに、〈塩・酸〉だと白ワインに合いやすいよ。それは赤は酸味と苦味が強めで、白は酸味・甘味・苦味がそれぞれ適度にあるため、五味がそろう事で、要するに料理に足りない味をワインが補完して五味のバランスが取れるからなんだ。角度が等しい綺麗な正五角形を作るイメージで考えてみると分かりやすいかな。例えばこんな風にネ──

 

「味博士の研究所」https://aissy.co.jp

 ──ここでもう一度 [続・ワインの味わい方 -葡萄酒との対話-] の記事を見直しておくのも悪くないよ。美味しさって五味の調和でもあるから、一つの味が他の味より強すぎると美味しく感じないんだね。これは『言うは難し、するが易し』で、じっさい自分の舌で体験してみないと分からないかも。でもこの理解をより深めるためにワイン主観の相性でマイナスになる組み合わせの例を挙げておくね」

・イチゴ × シャンパーニュ → 酸(イチゴは美味しくなるが、その甘味でワインの酸味や苦味をきつく感じさせる)

・レモン × シャブリ → 苦(レモンの強い酸味と苦味が、ワインの酸味を弱め、苦味を助長させる)

・バタークッキー × 赤(MLF)→ 酸+苦(MLFの同調でバター風味は引き立つが、クッキーの甘味がワインの酸味と苦味を強調させる)

・カレー × 赤(フルボディ)→ 刺激 + Alc(カレーの強いスパイシーさが、ワインの果実味を薄め、Alc由来の熱さを刺激と共に高める)

「これで表の意味が伝わったかな? ついでに、もう随分廃れてきたとは思うけど『肉に赤、魚に白』っていう考え方、魚においては同じ原理からだね」

・肉=蛋白質=赤に最適→タンニンと反応して結び付き、ワインのインパクトを和らげる→甘味の発見、心地良い旨味

・魚=旨味=赤・白(樽/スキンコンタクト)に不適→旨味はワインの苦味、収斂性を強調させる。脂身の多い魚とは金属風味

Freshness comes first!

「今度は逆、ワインの味による料理の味への影響も知っておいてね」

「もし料理に〈爽やかなフレッシュ感〉が欲しければ酸味の高めな白ワインを、〈スパイシー感〉が欲しければタンニンの高めな赤ワインを選ぶと良いってことだね。後半の苦味が、味わいや余韻に焦点を与えて絞って行くのさ。またお酒のアルコールの強さには、食べ物に旨味や粘性の強さ、または油脂質の触感が必要ってことも押さえておきたいポイントかな。日本の人たちは15~16%と高めのアルコール度数が多い日本酒にスルメイカを合わせるよね。あれはアルコールによる甘味とトロミがイカの旨味と粘りに一致するからなんだ」

I want more!

「いよいよ山場、ワインと料理がどれほど合っているのかを、食事する時には常に意識してみよう。これはあくまで僕のやり方だけど、相性の分類を6段階にして、僕はいつも考えているんだ。こうやってしっかりと言葉にして区別することで、よりいっそう感覚への意識が強まり、鋭い味覚を養えるようになると思うよ」

「下に行くほど良い相性で、上の3つははっきり言って残念、下の3つが素敵な関係という感じかな。Bad Flavour の代表例は、青魚と白ワインからの金属風味。そしてその対極である Harmony。フランス語でワインは vinヴァン で男性名詞、食べ物は nourritureヌリテュール で女性名詞、正に『結婚マリアージュ』だなんて、なんともニクいセンス! お互いに引き立て合う、すなわち『1+1=3にも4にもなりうる』ってこと、それが結婚というものだよね! ちょっとロマンティックすぎるかな? ゴホリゴホリ、ええと、あと、あくまで『ワインが食事を引き立てる』ってことも忘れないでね、紳士諸君。それとこの表に付け加えておきたいのは、風味の一致は Harmony になりえないということだね。風味の平行はあくまで同質感で Balance 止まり。みかんゼリーとアスティの組み合わせが分かりやすいかな。人間関係でも同じで、また別の視点から物事を捉える相手がいなければ、人は向上していかない。あるていど意見を言い合う仲でないと、同じ意見ばかりでは進展がないよね」

I need an egg to enjoy Noble Rot wine!(⇒貴腐)

「最後に、調味料や薬味との相性もあるから、ぜひ参考にしてみてね。これらはほんの一例だけど、『ブリッジ食材』として料理とワインの橋渡しをしてくれるのさ。ただしもちろん適量で。『調味料が調味料の域を越えた料理は、ワインとの相性云々うんぬん以前に料理として既に失敗』だからね」

醤油、味噌、ソース、わさび、ニンニク、マスタード、唐辛子、クローヴ
塩、酢、ハーブ、生姜、レモン汁、フレンチドレッシング、大葉

・和:出し(旨味成分のアミノ酸):素材を引き立てるイメージ 薄口醤油(スパイス)→素材からワインを決める

・洋:ブイヨン(他成分も含む、多重構造のアミノ酸):ソースの味が全面に出るイメージ 濃口醬油(ウースターソース)→ソースからワインを決める

「はい、これで僕の出番はおしまい。アレ? あの人いなくなっちゃったよ。なんだろう、この置き手紙? なになに、『お腹すいたから帰る。あとヨロシク』ってヒドくない? たしかに食べ物の話ばかりしたかもだけど、このお題で相談を持ちかけてきたのは向こうだよ。それで途中で人に丸投げなんて、ホント人格を疑うよね。でコレは?『本日の箴言集&記念日の一本 心の友より』だって。ただのルームメイトが一体いつからソウルメイトになったんだ? 僕たちの仲はただの Share だよ。で、これを公開してって事? やれやれ、世話が焼ける人だなあ、まったく。さて、僕はもうお腹いっぱいだし、ここらで閉めさせて貰うとするかな。最後に一言だけ。『味わいは議論の外』っていう諺がスペインにもあるように、人の好みは千種万様、合うと言われているものや自分で合うと想像したものが、実際合わせてみたらそうでもなかったりするのは良くあることで、そして逆もまた同じ。そんな『合う/合わない』の発見の喜びを楽しみながら、日々の食事の時間を過ごしてみてはどうかな。じゃあこれで、大切な時間をありがとう。Au revoir (^_^)/~」

Yuck, I’ve had too much food & wine…

本日の箴言集

◎ワインの質が良い事がペアリングの基本

・ワインが味気無いと良い素材も引き立たない

・ワインにより多くの要素がなければ料理をより多く引き立てる事は出来ない(単調なワインは料理にも複雑さを与えない)

◎ワインの質

・熟成し全てがまとまって完成度の高いワインは、完成度の高い料理と、もしくは単体で楽しむべし(長期熟成を経て内に秘められた在らゆる香りが立ち上がり、全ての角が取れて滑らかな球体の味わい故。デカンタージュ もまた角を取る作業 → 緊張感を失わせる面もある)

・果実味の強いワインはきちんと造られた料理とは調和しにくくなる

・確かにワインは料理ありきだが、料理がなければ飲めないワインというのも考えものである

・ワインの中には単体では飲みづらく、料理と合わせて美味しくなるものもあるが、単体でも美味しい、料理とも美味しい、それに越した事はあるまい

・料理の質を上げてワインの質を下げる。料理とワインの質を合わせる事。それは新しい味覚の発見と倹約を生む(ワイン愛好家やソムリエはワイン主体で考えがち=高級ワイン ⇔ 料理人は料理主体で考えがち=並級ワイン)

◎ワインの特徴

・脂と泡は相殺そうさいのマリアージュ(例:大トロ×泡)

・シャルドネ(樽)は、特に魚において、脂身が無いと合わない

・アルコールが後半に掛けての風味の濃くと余韻を生むが故、料理の風味とは余韻を合わせる以上、ノンアルコールのペアリングは難しい

◎料理の特徴

・軽やかな料理に樽風味、凝縮した果実味、極度に抽出したタンニンは不要(重量感を合わせる事)

・ナッツとワインはナッツ好きの為の組み合わせ(ワインがナッツの風味に完全に支配される)

・寿司には醤油より麺つゆの方が素材風味が殺されず、繊細さが生まれて良い(もしくは醤油を、合わせる白ワインで1:1に割るとお互いが近付き合う)

・相性は、素材の旬によっても変わり得る

記念日の一本

Noble Hill, Cabernet Sauvignon 2009 (Simonsberg-Paarl, South Africa)

 縁にオレンジ色が現れ始めた発展しつつある濃いめのガーネット。高い香り立ちは層があり、ブラックベリーやカシス、黒胡椒、若干のピーマン香に加え、樽(ヴァニラ、クローヴ、杉、チョコレート、スモーク)と熟成による アロマ (煮詰めた赤プラム、なめし革、肉、土)が渾然一体となっている

 強めの酸、強いが良く熟したタンニンは上品に溶け込み、凝縮した果実味と14,5%の高いアルコールが充実したボディを生む。非常に豊かなフレーヴァが余韻に長く続く。果実味・渋み・アルコールが高いレベルでバランスを保ち、樽由来の風味が複雑さをもたらす。酸とタンニンの構造はしっかりとしていながら、喜ばしい噛めるような食感の十分な量の果実感が其処に柔らかさを加える

 品種個性を良く表現した、値段以上の見事な新世界ワインの一例。南アフリカの赤にとって2009年は素晴らしい ヴィンテージ 。十年の熟成を経たが、酸とタンニンと果実味の強さからまだ寿命は長い。角が取れて球体の味わいに為り、全ての要素がまとまり活気に溢れ、単体で満足出来る完成度。シンプルに山葵わさびを摘まみにしても良い(せない程度に)。時を掛け、慈しんで育てて来たお前は今私の前から旅立って行く、若さと知性と健やかさに満ちて!〈2019年5月〉

長年大切に育てて来たワインを飲む事は、一人立ちする子を見送る親の心情を味わわせる…純粋な生気に満ちたお前は、私の様に老いる勿れ!

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